Fコードの法則
「出来ない。」
何かに挑戦し、ずっと続けているにもかかわらず、なかなかそれが出来るようにならない。
このようなことがあるとします。そんな時は「この先ずっと出来るようになることなんてないんじゃないか」そう感じることもあるかと思いますが、案外明日にでもあっさり、すんなり、出来てしまうかもしれません。そう、出来るようになるんです。
そんな時に思い出すのが、【Fコードの法則】です。
Fコードの法則って?
ずっと出来なかったことが思いもよらず、
ある日突然、出来るようになること─。
この現象を私は【Fコードの法則】と呼んでおります。あくまで私の中だけですが、こういう法則が私に存在するのです。このように呼ぶようになったエピソードがあります。
学生時代の経験から…
学生時代、私は独学でギターを弾いていた時期がありました。楽器屋さんで初心者用の安いギターを買い、毎日練習しておりました。
最初は弦を抑えるだけでも指が痛い。6本もある弦を複雑な指の配置で抑える、それがとても難しかったのです。比較的簡単なコードは抑えられるようになり、音が綺麗になると嬉しかったのを覚えています。そうして、簡単な3コードくらいの曲が弾けるようになり出した頃です。
ここでギターを弾いたことがある人なら誰もが通るであろう「Fコード」の難関。Fコードは一つ一つ弦を押さえるのではなく、1本の指で6弦全て押さえつつ残りの3本の指はそれぞれの弦を押さえるという、初心者が割とつまづきやすいコードです。もちろん例に漏れず私にも訪れました。Fコード…
ぜんっぜん音が鳴らない。
指がつる。
やっぱりこうなりましたね。こんなに難しいことがほんとに出来るの?と本気で思いました。手もそんなに大きくはないし、音が鳴るどころか指が悲鳴上げてるような状態でした。指の筋がこうね、言うこと聞かないわけです。弦を抑えるどころかFコードの形で弦に触れるのがやっとです。
「これ…Fコードって弾けるようになる日が来るのかな…想像すらできない…」
本当にそう思いました。毎日毎日ギターを持ってFコードを押さえてみても、ピックではじけば弦をただ撫でるような鈍い”ドゥルッ…”という音が部屋に響くのみ。
なんでこんなに難しいのかと思いつつも、とりあえず毎日コードを押さえてみてはいました。
ついにその日はやってきた
そしてある日、いつものようにあぐらをかきながらギターをよいしょと抱えて、これもまたいつものように「鳴んないよな〜なんだろうなこれ〜」と思いながら弦を押さえてなにも考えずにピックで6つの弦をはじきました。
ジャーン!!♪
・・・・・・・・・・・・・
・・・え?
鳴っ・・・・・た・・・・???
え・・・ちょ・・・(もう1回)
ジャーン!!!♪
え、やっぱり、鳴った…!鳴った!!
綺麗に音が鳴り、あのとんでもなく難儀していた「Fコード」がなぜか突然弾けるようになっておりました。本当にある日突然の出来事です。
毎日一応やってはいたのですが、この日に限って何か特別なことをしたわけでもなく(むしろ「無理だろう」とすら思っていた)ただ「やってみた」と言うだけで。
実感はなかったですが、もしかしたら毎日続けている中で自分でも気づかないうちに上達していたのかもしれません。そういった原理はあったのかなかったのかわかりませんが、それでも私の体感では「昨日までずっと出来なかった困難なことが、気合も入れていないのにある日突然なぜかあっさり出来た瞬間」だったのです。
この体験により、
「気合も入れていないのにある日突然なぜかあっさり出来てしまう」この現象を私は【Fコードの法則】と自分の中で呼ぶようになりました。
出来るんです。案外、あっさり、すんなりと。
「ある日突然」と言うのがミソです。
それが明日かもしれない。いや、もしかしたら今日かもしれない。
困難に思えてもやってみると出来たりするんです。
【Fコードの法則】が、なんでもないような顔をしてはたらくかもしれないのです。
無理せず、すこし気をゆるめつつやっていればきっと出来るようになる日が来ると思います。
腐らずフラットにやっていきましょう。
もものき
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