心を軽くしたいエッセイ

今日もいいことは、起こる。

言われた言葉は感じなければ無効。


誰かの言葉に傷ついたり、何かいやなことを言われたり、心無い言葉を投げかけられたり…そんな経験は誰にでもあると思います。

そんな時はこちらが反応しなければ、自分の中に入ってくることはありません。無効になります。というお話です。

 

投げかけられた言葉の選択肢

受けとるか受けとらないかは、「言われた側」が選択できる

いやなことや、傷つくことを言われた瞬間はウッと苦しくなったりショックでうろたえてしまったりすると思います。辛いです。苦しいです。しかし、発する言葉の選択は相手にありますが、それを受け取るか受け取らないかは、「言われた側」である自分が選択できます。

言葉というのは発した側がその言葉に意思を持っていると思いますが、それとはまた別に、それらを聞いて、読んで、何を感じるかという意思は受け取る側にあります。

相手が何気なく言葉を発する場合もありますが、その言葉の意図が善意であれ悪意であれ、心に受け止めるか受け止めないかは、自分がどうしたいかによって選ぶことができるのです。

 

言われた言葉を「無効」にできる

かけられた言葉は、こちらが感じて受け止めなければ「無効」になる

相手が発した言葉を消すことはできなくても、自分の中で無効にはできます。

これは人の話に聞く耳を持たないということではなくて、相手の話に耳を傾けた上で、自分がどう感じるか、どう受け取るかは自由であるということになります。

そしてその言葉がもし、あなたをひどく傷つけるようなものであったり、不本意であったり、たとえそれが善意であったとしてもあなたを縛りつけたり、悲しい思いにさせるものであったなら、それらの言葉を自分の中にわざわざしまっておく必要はないのです。閉まっておくどころか、心に入り込ませなくてよいのです。

「私のためを思って言ってくれているんだから」「その人が好きだから」「恩があるから」などの理由で「辛くても受け止めなければならない」と思い込んでそれらの言葉を大事に心に置いておくというパターンはしばしばあります。これはやっぱりその人が大切だからこそ、ということでもあります。しかし、人と言葉は別です。分けて考えます。

その人が好きな人ならば、大切な人ならば、何であってもすべてを受け取らなければならないという決まりはありません。相手と自分は別の人間で、そのまま丸ごと誰かの言っている言葉が自分に当てはまるということはなかったりもするのです。なにもよりも、まずは自分の心の反応を一番に見てあげてください。

耳では聞いても、心では受け止めない。受け止めすぎない。

しかし言葉にはどうしても感情が反応してしまいます。

では、そもそもどのように受け止めないようにするのでしょう?

 

キャッチボールで例えると…

コミュニケーションのことを「会話のキャッチボール」とはよく言われますが、それを例にすると、

 

ボールを投げる(言葉を投げる)→ボールをキャッチする(言葉を受け取る)

 

このように、物理的にボールとして見た時、相手から飛んできて自分の手元に”ある”時点でボール(言葉)は相手の手のうちからは離れています。つまり、この段階でもう相手のものではないのです。管轄外です。

言葉(文字ではなく)というのは目に見える形ではないので抽象的であり、そして感情にダイレクトに入ってくるものではありますが、このように「モノ」として置き換えてみると少し気がラクになるところがあると思います。

たくさんの考え方があり、そのうちの一つのものの考え方とはなりますが、このように物理的に考えてみることも有効です。

 

あなたという人間の尊厳

何を言われたとしても、相手の意図がどうであっても、あなたという人間の尊厳に少しでも抵触する言葉であるなら、その言葉を心に入れ込む必要はありません。

耳から聞こえてしまうものは仕方がないのですが、心にはバリアを張る。そうすると、冷静になれます。

 

言葉はとても素晴らしいものです。

誰かの言葉によって心を救われたりもするし、安心できたりもする。人生の中でとても大切な言葉になりうることもある。

言葉というのは本当に尊く、それでいてひどく人間くさい。それもすべてひっくるめて愛すべきものです。良くもわるくも、とても力のあるものだと感じます。「言霊」といわれるものも、太古昔からそのような言葉の力を実際に体験し、実感したところから脈々と言われ続けている事柄だと思います。

 

しかし、そんな「言葉」というものを大切にしながらも、振り回されすぎず、外からの言葉によって自分の大切なものをおびやかされないよう、守っていきたいとも感じます。

 

あなたはあなた自身で自分を守ることができ、大切にすることができます。誰かの言葉であなたらしさが失われることがないように。

言葉を大切にしながらも、どうかあなたがあなたという人間を大切に生きられますよう願っております。

 

 

 

もものき

 

 

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